モバイル
モバオタである。
モバオタとは何かというと、モバイルオタクの略である。
モバイルオタクとは何かというと、パソコンや電子機器を外に持ち出し、外出先でインターネットに接続したりすることにこの上ない快感を覚える、まあ変態の一種である。
今から見れば全部スマホで可能なことなのだが、15~20年前にはスマホという言葉すらなかったし、外でネットをしたりPCをいじったりすること自体が一般的ではなかった。
で、変態なわけなのだが、若い人は知らないと思うが昔PDAと呼ばれるジャンルの製品があった。これはPersonal Digital Assistantの略で、まあ電子辞書にネット通信の機能が付いたような、あるいは今のスマホをもっとしょぼくして通話機能を除いたような、そんなものだった。これを持ち歩いてPHSの通信カードを挿すことで、どこでも常時インターネット接続ができたので、変態はこれが大好きであった。
コンパックのiPAQ、東芝のGENIOといったPocket PC端末から始まり、シャープのLinux Zaurusなどは気に入ってシリーズを何機種も購入した。これはクラムシェルでキーボードを搭載しており、スケジュール管理やテキスト打ちに重宝した。
上司に「それ何?」と聞かれてPDAですと言っても通じるはずがないので、電子辞書ですフヒヒと言ってごまかしていた。客観的に見れば怪しいやつであったが、変態なので仕方がなかった。
スマホといえば初の国産スマホといわれるW-ZERO3も変態なので購入した。実際には初代のW-ZERO3ではなく、アドエスと呼ばれる改良型だったが、これはOSが不安定で通話中にフリーズしたりして、あまり長くは使わなかった記憶がある。
また、PDAとは別に「超小型のWindowsパソコンを持ち歩きたい」という変態の一派があり、自分はこれにも属していた。PDAはそれ専用のOSを搭載していてPCに準じた機能を持ってはいたが、やはりWindowsには色々な面で機能的に劣る。究極的にはWindowsを持ち歩く、というのが理想であった。
もちろん当時もノートPCはあったが、モバオタである以上はなるべく軽く小さく持ち運べるものを求める。UMPC(ウルトラモバイルPC)というジャンルがあり、国内メーカーも色々な商品を出していたが、変態はSonyのVAIO Uシリーズというものを使っていた。
まあウルトラモバイルといっても当時(2000年前後くらい)の技術力には限りがあり、動作は遅く、バッテリーもそれほどもたず、大きさ重さもそれなりにあった。
その後ネットブックというものが流行ったが、これも低価格なりの性能しか持っていなかったので変態の欲求を満たすには至らなかった。
長々と書いたが結局何を言いたいかというと、モバオタの変態欲求を満たすことのできそうなデバイスを久々に手に入れた。
中国のGPDというメーカーが作ったGPD PocketというWindows10搭載の7インチサイズのノートPCで、クラウドファンディングサイトINDIEGOGOで投資を募っていたので速攻で出資した。
出資したのは2月中旬であったが、それが先日届いたというわけである。
すでにネット上にはレビューが出回っているので詳細はそちらに譲り、ここでは写真をいくつか載せるに留めることにする。
単体ではサイズ感が伝わらないと思うので、比較用にiPhone7を置いてみた。
実際に見た感じ、写真で受ける印象よりもさらに小さく感じる。
キーボードは変則的だが慣れればそれなりに使えそうだ。
質感は高く、サブとして使うならスペック的にも十分である。
メーカーから「使用しながらの充電は推奨しない」というアナウンスがあり、ユーザーは困惑しているようだが、中華端末はバッテリーが妊娠しやすいという話もあり、いたわりながら使うに越したことはないだろう。
UMPCというジャンルからは国内メーカーも撤退して久しく、変態としては寂しい日々を送っていた。そんな中でこのような製品が出てきたのは喜ばしいことである。
ここしばらくはカメラもレンズも購入していなかったが、久々に物欲を刺激されるガジェットであるのは間違いなかった。
しばらく使い込んで、また感想など投稿したい。